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Pringlesブランド分析

Pringles ブランド分析

1. ブランド概要

Pringles(プリングルズ)は、1968年にアメリカで誕生したポテトチップスブランドで、現在はケロッグ(Kellogg's)によって展開されている。独特の筒型パッケージと均一な形状のチップスで、世界中に多くのファンを持つスナックブランドである。

“Once you pop, the fun don’t stop(開けたら止まらない)”というキャッチコピーでおなじみのPringlesは、ただのポテトスナックではなく、“楽しさと個性を演出するアイコン”として親しまれている。

主な情報

  • 発売年:1968年(アメリカ)
  • 創業者:Procter & Gamble(現在はKelloggが所有)
  • 製品カテゴリポテトスナック/スナック菓子
  • 代表キャラクター:Mr. P(口ひげのロゴキャラクター)
  • 製品の特徴:筒型容器、均一形状の成型チップス、多彩なフレーバー

2. ブランドの歴史と進化

Pringlesは、「ポテトチップスの革命」を目指して開発された。従来のポテトチップスが袋詰めで割れやすく、油っぽく、形が不均一だったのに対し、Pringlesはその常識を覆した。

  • 1968年アメリカで発売。科学的に設計された成型チップスと再封可能な筒型パッケージで話題に。
  • 1990年代:世界各国へ展開。特にアジア市場では“ユニークなフレーバー”と“スタイリッシュな見た目”が若者を中心に支持される。
  • 2012年ケロッグにブランド譲渡。以降、朝食ブランドとの連動キャンペーンや新製品開発が活発化。
  • 現在:定番のサワークリーム&オニオン、チーズ、バーベキューなどのほか、地域限定のキムチ味やたこ焼き味などローカルフレーバー展開にも注力。

Pringlesは「食べる行為を楽しくする」ことにフォーカスし、グローバル市場でエンターテインメント性を兼ね備えたスナックブランドとして進化している。


3. ブランドの特徴とアイデンティティ

Pringlesの魅力は、品質の高さと遊び心の融合にある。

Pringlesブランドの核心要素

  1. パッケージと食感の革新

    • 筒型容器により、割れず、重ねて収納でき、シェアしやすい。
    • 成型チップスならではのパリッとした食感と、均一なサイズ感。
  2. フレーバーの多様性と“コレクション性”

    • 世界中の味をテーマにした限定フレーバーが季節ごとに登場。
    • 「次はどの味?」というワクワク感がリピート購入につながる。
  3. キャラクター性とブランドアイコン

    • Mr. P(プリングルズおじさん)のユーモラスな顔は、SNSやグッズでも大人気。
    • パッケージデザインの変遷や表情バリエーションなど、“表情で遊ぶ”ブランディングも展開。
  4. シェア文化の創出

    • 筒型の特性を活かしたパーティーでの使用や「シェア動画」など、コミュニケーションの中心になる設計。
    • 家族や友人と分け合う楽しさが、商品を“会話のきっかけ”にする。

Pringlesは、“食べること”を超えて、“話題になる・見せたくなる・集めたくなる”ブランドへと進化し続けている。


4. Pringlesのマーケティング戦略

Pringles(プリングルズ)は、ポテトスナックの枠を超えて“楽しさ”を演出するグローバルブランドとして認知されている。そのマーケティング戦略は、「日常を遊び心で彩る」「フレーバーを通じた冒険」「共有を前提としたコミュニケーション」にフォーカスして展開されている。

Pringlesのマーケティングの特徴

  1. ブランドストーリーテリング

    • PringlesのCMやSNSでは、「シェアする楽しさ」「見た目のユニークさ」「フレーバーの驚き」を中心にストーリーが展開される。
    • たとえば、「プリングルズタワーを作ろう!」というユーザー参加型のチャレンジでは、製品の形状そのものが“遊び道具”として認知され、楽しさと好奇心がブランド価値として浸透。
    • Mr. Pのコミカルな表情や変化も、消費者に「話したくなるブランド」として印象付けている。
  2. SNSとバイラル拡散戦略

  3. “選べる楽しさ”を前提としたフレーバー戦略

    • 世界中の料理や文化をテーマにしたフレーバーを展開し、「今日はどんな味にしよう?」という日常のちょっとした冒険を提供。
    • 地域限定・期間限定商品は「買い逃したくない」というコレクター心理も刺激。
  4. グローバル統一 × ローカル共感のバランス

    • 筒型パッケージやロゴなど、世界共通のデザイン言語を維持しつつ、日本市場では「たこ焼き味」「明太子味」などローカルテイストを取り入れて親しみやすさを演出。
    • 多国籍市場でも共通の世界観を楽しめる“世界の共通語”としてのスナック体験を提供。

5. Pringlesのブランド戦略

Pringlesは、「品質」「パッケージ」「体験価値」の3要素を基軸に、エンターテインメント性のあるスナックブランドとしての地位を築いている。

主なブランド戦略

  1. パッケージングの差別化と活用

    • 筒型パッケージは、他ブランドとの差別化を生むだけでなく、積み重ね・持ち運び・再利用など生活の中でも多様に機能。
  2. ブランドキャラクター(Mr. P)の有効活用

    • 表情やヘアスタイルが季節やイベントによって変化する“動きのあるマスコット”として愛着を持たせる戦略。
  3. ユーザーとの“遊びの接点”の構築

    • 食べる・撮る・投稿する・集めるといった“行動の連鎖”を前提とした設計で、自然にブランド体験が拡大。
  4. グローバル×ローカル戦略による文化浸透

    • 世界標準の楽しさを保ちながら、各国市場に合わせた味・デザイン・言語を柔軟にローカライズ

6. 結論

Pringlesは、ポテトチップスという日常的な商品を、“集める・シェアする・遊ぶ”という体験に変えるブランドである。そのマーケティングとブランド戦略は、単なるスナックの枠を超えて、「人と人がつながるエンタメ体験」を提供することで、今後も世界中のファンの心をつかみ続けていくだろう。